【こんな症例も治りますシリーズ 757】『 セカンドオピニオン診療:アトピー性皮膚炎 』も適切な診断と治療で治します

↑ 上のイラストと、写真は、犬のアトピー性皮膚炎に関して示しています。

■ 左上のイラストは『赤い部分』がアトピー性皮膚炎が良く出やすい皮膚の部位です。

■ その他の写真は、皮膚が痒くて自分が舐める事などが重なって、悪化したアトピー性皮膚炎の状態です。

 

 

参照サイト:

https://00m.in/zaUuH

 

犬 ミックス犬 2歳 メス(避妊手術済み)

 

 

【 体を痒がり、ひどく舐めている 】との主訴で来院されました。

 

 

◆◆ 飼主様にお聞きすると、痒がる場所は、前足から脇の下にかけてと下腹部でした。 膿皮症のような湿疹は見られず、全体的に被毛は薄くなり皮膚の色は赤く炎症が起きていました。

 

 

■ 年齢や掻痒部位、ステロイド薬に反応が見られることなどから『 アトピー性皮膚炎 』が疑われました。

 

 

 

◆ 犬のアトピー性皮膚炎は、アレルギー反応によって皮膚に炎症が生じる慢性疾患の一部です。

 

 

■ 好発犬種には柴犬、ゴールデンレトリーバー、ウェスティー、フレンチ・ブルドッグなどが含まれます。

 

 

■ 発症時期は生後6か月から3歳頃が多く、若齢期から症状が現れやすいです。

 

 

■ 主な症状は、顔や足先、脇、腹部などを中心としたかゆみ、赤み、皮膚の乾燥や色素沈着、脱毛などです。

 

 

■ 治療法は、アレルゲンの特定と除去を基本とし、抗ヒスタミン薬やステロイド、免疫抑制剤、減感作療法(アレルゲン免疫療法)などが用いられます。

 

 

 

 

◆◆ ホームケアでは、定期的なシャンプーによる『 皮膚の清潔保持 』、保湿剤の使用、食事管理、ストレス軽減が重要です。

 

 

■ 早期発見と継続的なケアが、症状のコントロールと犬のQOL向上につながります。

 

 

■ アトピー性皮膚炎の犬に対して適した食事は、皮膚のバリア機能をサポートし、炎症やアレルギー反応を軽減する栄養素を含んだ食事が推奨されます。

 

 

 

■ 以下が具体的なポイントです。

 

 

例えば

 

 

1) オメガ―3脂肪酸(EPA・DHA)を豊富に含むもの

→ 炎症を抑え、皮膚の健康を保つ効果があります。 魚油やサーモン由来の脂肪が多いフードが望ましいです。

 

 

2) 加水分解たんぱく質を使用したフード

→ たんぱく質をあらかじめ細かく分解し、免疫系がアレルゲンとして認識しにくくします。 食物アレルギーとの鑑別や管理に役立ちます。

 

 

3) スキンケア用療法食(動物病院専用フード)

→ 例:ヒルズ社『z/d』、『オールスキンバリア』、『ダームディフェンス』、ロイヤルカナン社『アミノペプチドフォーミュラ』や『スキンケア』、ピュリナ社『HA』など。

 

 

4) 抗酸化成分(ビタミンE、C、セレンなど)

→ 皮膚細胞の保護や免疫調整作用が期待されます。

 

 

■ 注意点としては最低6〜8週間は同じフードを続けていただくことです。

 

 

■ フードアレルギーも疑われる場合は、必ず獣医師の指示のもとに食事管理をしてください。

 

 

■ 梅雨の時期には痒みを訴えるワンちゃんが増えてきます。 痒みは放置すると細菌感染も進行するのでお早めの受診をお勧めいたします。

 

 

 

 

獣医師 新井澄枝

 

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